研究課題/領域番号 |
24791313
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
渥美 和重 九州大学, 大学病院, 助教 (70625805)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 人工ニューラルネットワーク / 食道癌 / 化学放射線療法 |
研究概要 |
過去に化学放射線療法を行った食道癌のデータを用い、年齢、性別などの患者背景や、血液検査や食道造影、食道内視鏡、CT、PETなど主に低侵襲的な画像検査などより得られるさまざまな因子(腫瘍マーカー、腫瘍長径、TNMステージ、PETにおけるSUV値、Ki-67,PCNA,cyclin Dなどの免疫組織学的因子など)と治療効果、予後(生死、無病生存など)との関連性の評価を、従来汎用されてきたlog-rank法やcox比例ハザードモデルなどを用いて単変量解析、多変量解析により行った。 上記で関連性があると思われた予測因子を用い、治療効果、予後(治療後2年後の生死)を予測する下記のような階層型ニューラルネットワークモデルを構築中である。ソフトはmatlabを用いてモデルの構築を行っている。簡便に言うと、複数の予測因子を入力すると、中間層で重みづけが行われ、予測される治療効果や生死が出力されるようなモデルである。過去症例における予測因子(入力データ)と、答えとなる実際の治療効果、予後(教師データ)との関連を学習させることによって、中間層における重み付けを行い、予測モデルを構築していくこととなる。必要な予測因子を適切に選択することにより、より精度の高い予測モデルの構築に努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
過去に化学放射線療法を行った食道癌のデータを用い、年齢、性別などの患者背景や、血液検査や食道造影、食道内視鏡、CT、PETなど主に低侵襲的な画像検査などより得られるさまざまな因子と治療効果、予後との関連性の評価を、従来汎用されてきたlog-rank法やcox比例ハザードモデルなどを用いて単変量解析、多変量解析により行った。 上記で関連性があると思われた予測因子を用い、治療効果、予後を予測する階層型ニューラルネットワークモデルを構築中である。このことは本年度の研究計画通りである。
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今後の研究の推進方策 |
構築された予測モデルに、モデルの構築の際に使用していない新しい症例での予測因子を入力することにより、治療効果、予後(治療後2年後の生死)の予測を行う。出力された治療効果、予後の予測値と、実際の治療効果、予後との相関を検討し、その精度の検証を行う。 治療後2年後の予後の予測が十分になされていたときは、さらに長期となる3年後の予後を予測できるモデルを再度構築し、同様に精度の検証を行っていく。 また、無病生存や局所制御など他の予後に関する予測モデルを構築し、同様に精度の検証を行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
データ収集及びソフト解析のため、コンピュータ関連消耗品。 研究討議、データ収集、成果発表に関する旅費。 論文投稿及び掲載代、別刷り印刷代。
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