過去に化学放射線療法を行った食道癌のデータを用い、年齢、性別などの患者背景や、血液検査や食道造影、食道内視鏡、CT、PETなど主に低侵襲的な画像検査などより得られるさまざまな因子(腫瘍マーカー、腫瘍長径、TNMステージ、PETにおけるSUV値、Ki-67,PCNA,cyclin Dなどの免疫組織学的因子など)と治療効果、予後(生死、無病生存など)との関連性の評価を、従来汎用されてきたlog-rank法やcox比例ハザードモデルなどを用いて単変量解析、多変量解析により行う。 上記で関連性があると思われた予測因子を用い、治療効果、予後(治療後2年後の生死)を予測する下記のような階層型ニューラルネットワークモデルを構築する。ソフトはmatlabを用いてモデルの構築を行う。簡便に言うと、複数の予測因子を入力すると、中間層で重みづけが行われ、予測される治療効果や生死が出力されるようなモデルである。過去症例における予測因子(入力データ)と、答えとなる実際の治療効果、予後(教師データ)との関連を学習させることによって、中間層における重み付けを行い、予測モデルを構築していくこととなる。必要な予測因子を適切に選択することにより、より精度の高い予測モデルの構築に努めた。
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