マウスモデルを用い,低線量の放射線被曝が免疫系に及ぼす影響を検索した.結果,50mGy~200mGyの単回全身被曝ではマウスリンパ系細胞(CD4陽性T細胞,CD8陽性T細胞,NK/NKT細胞および制御性T細胞)の集団には明らかな変化をきたさなかった.次に,比較的長期連続被曝モデルとして25mGyの10日間連続照射マウスを用い,Ovalbumin抗原で免疫を行うと,被曝群で抗原特異的CD8陽性細胞集団の増加が認められた.このことから,低線量の長期被曝によりマウスの特異的細胞免疫が増強する可能性が示唆された.
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