研究課題/領域番号 |
24791324
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
坪倉 卓司 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50347465)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 化学放射線療法 / 治療効果判定 / MRI / 進行食道癌 |
研究概要 |
本研究は、進行食道癌に対して化学放射線療法を施行した症例について、MRIの拡散強調画像を撮像し見かけの拡散定数(ADC値)を測定し、ADC値の変化をみることにより、治療開始から早期の段階で最終的な治療効果が予測できないかということ、および治療開始からどの時期にMRIを撮像するのが望ましいか、について検討することを目的としている。 本年度は、研究計画に沿って研究開始初年度として必要物品の購入、対象症例の治療の実施とADC値の測定、および治療効果とADC値の変化についての比較検討、について開始した。 まだ症例数の集積が十分でないために、具体的な治療効果とADC値の関係性についての検討や、最適なMRI撮像時期の検討には至っていない。しかしながら、撮像方法など技術的な問題については現在行った症例数の中でも検討と修正を行い、例えば食道癌は部位の問題からADC値を測定するための元画像を撮像する際に、呼吸性移動や心拍動によるアーチファクトや像のゆがみが問題になりやすいが、撮像方法の工夫などを行い、十分実測に耐える画像を得られるように至っている。 来年度以降、さらに症例数を積み重ねて検討を加えていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度はMRI装置の追加導入に伴う工事を行っており、その工事期間に合わせてMRIの検査枠を制限する必要性が生じ、その上なかなか具体的な工事の日程が決まらないという問題も発生していた。このため、本研究のような頻回のMRI撮像を必要とし、6週間以上先の検査予定まで立てなければいけないという検討を、他の臨床上必要性の高い患者の検査を制限してまで積極的に行うのは難しいという状況になったため、なかなか思うように症例の集積が進まなかった。 加えて、最近は手術の前に化学療法を行った後、奏効例には手術を行い、無効例には化学放射線療法を検討するという流れが生じているため、化学放射線療法を開始する前に化学療法による修飾が加わってしまっている症例が増加傾向となった。このため、本研究の当初予定である無治療の段階と治療開始から早期の段階でのADC値の比較検討という観点で対象になる症例が少なくなっていることも影響し、症例集積が予定通り進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に沿い、症例の集積と最適なMRIの撮像時期の検討を行う。 ただ上述のごとく、最近は手術の前に化学療法を行った後、奏効例に手術、無効例に化学放射線療法を検討するというケースが増加しており、このままでは症例集積がなかなか進まない可能性があるため、術前化学療法後の効果判定予測や、術前化学療法施行後に化学放射線療法を施行する症例の効果予測等についても、本研究に組み入れることができないか、あるいは本研究の発展型としてそのような研究が計画できないか、といった検討も行っていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究計画のごとく、次年度の必要経費としては、データ記録媒体や、データ処理や検討の際に必要となるソフトウェアの購入を見込んでいるため、必要に応じて適宜購入していく予定である。
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