研究課題/領域番号 |
24791327
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
後藤 眞理子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20605042)
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キーワード | 乳癌 / ダイナミックMRI / 拡散強調像 / IVIM |
研究概要 |
本研究の目的は、乳腺病変において、毛細血管血流を反映しているとされる低いb値を用いたMRI拡散強調像と、造影ダイナミックMRIの解析値の間に相関があるかどうかを明らかにし、非造影MRIでの乳腺病変質的診断能の向上を目指すことである。 初年度から継続して、複数b値を用いた拡散強調像とダイナミックMRIの各パラメータの関係についての基礎的検討を行うため臨床症例の蓄積を継続した。MRIは当院に設置されている1.5テスラの装置を用い、また自作のブレストホルダーと既存の4チャンネルコイルを使用。複数b値を用いた拡散強調像とダイナミックMRIを装置と撮像シーケンスを一定にし、臨床症例を蓄積した。 症例の蓄積は終了し、当初予定していたADC値の測定に変わり、近年着目されている、水分子拡散と毛細血管灌流に関する情報を合わせて取得できる複数b値拡散強調像解析手法(Intravovel incoherent motion (IVIM))を検討することとした。この手法を用いることで、より具体的な拡散強調像の毛細血管灌流に関するパラメータの算出が可能となり、詳細なダイナミックMRIから得られる造影パターンとの対比が可能となると考えた。手持ちの解析ソフトを用いて拡散強調像IVIM解析を行い、ダイナミックMRIのパラメータとの対比を行ったところ、浸潤性乳管癌において、ダイナミックMRIにおける造影信号変化率とIVIM毛細血管灌流パラメータに一定の相関関係が見られる傾向がわかった。乳腺病変において、ダイナミックMRIの信号変化率(Kinetic pattern)の評価は良悪の鑑別に重要な指標であり、拡散強調像IVIMからその評価ができれば、造影剤非使用で評価できる可能性があり臨床的意義は高い。今後は蓄積したデータをさらに詳細に解析していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
データ蓄積は順調に進捗しているが、新たな拡散強調像解析手法を加えたことにより、データ解析に遅延が生じている。 また医師としての通常業務が多忙を極め、本研究に割けるエフォートが著しく低下しているため。
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今後の研究の推進方策 |
データ蓄積は前年度で終了。 今年度は蓄積した画像データのより詳細な解析と論文作成を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
医師としての通常業務が多忙となり、研究に割くことのできるエフォートが低下。このため研究の進捗に大幅な遅れが生じた。 蓄積したデータ解析に必要な物品の購入、研究成果発表のための出張旅費及び学会参加費、また論文発表のための費用に使用する予定である。
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