がん治療の 1 つとして、放射性核種 (RI) で標識した低分子量ペプチドの利用が研究されているが、高い腎放射能集積が臨床応用への障害となっている。これまでに我々は、ペプチドへの負電荷導入が腎集積低減に有用であることを示し、導入法の違いが、がんへの集積性を変化させることを明らかにした。本研究では、がん集積性の維持と腎集積低減を両立する「安全で効果的ながん治療用RI 標識ペプチドの開発」を目指した。種々のペプチドを培養がん細胞および担がんマウスを用いて評価したところ、腎集積低減に加え、がんへの集積を数倍に増大する化合物を見出した。今後、がん治療用放射性薬剤としての有用性を評価する予定である。
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