放射線治療後の形態的変化と嚥下障害の程度の関係を明らかにするため、放射線治療前、後のMR画像から咽頭収縮筋の厚み、咽頭収縮筋や傍咽頭間隙内の信号(T1 信号比、T2信号比)、咽頭後間隙の前後径の変化を測定した。2007年4月から2014年3月までに放射線治療が行われた上咽頭癌患者22人を対象とした。 放射線治療後に咽頭収縮筋は有意に厚く、T1信号比は低下し、T2信号比は上昇した。治療直後に傍咽頭間隙内のT1、T2信号比は有意に低下した。咽頭後間隙の前後径は有意に厚くなった。嚥下障害Grade 2群とGrade 3群の比較では、治療後早期と晩期共にいずれの項目でもGrade 間に有意差はなかった。
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