研究実績の概要 |
平成26年度は腎腫瘍の凍結治療における腎動脈塞栓群と非塞栓群の凍結特性を比較検討するために,腎動脈を血管塞栓用のスポンジで塞栓を行った塞栓群と非塞栓群のデータをさらに収集した.特性の違いを比較検討するのに十分な検体数(塞栓群10,非塞栓群10)を3年間で収集した.このデータを元に,両群での凍結時の等温度曲線と凍結関数を用いて両群の凍結特性が異なるかどうかを検証している.具体的には凍結限界などの凍結特性を解析するために、時間に対する凍結範囲の凍結面の半径長を表す凍結関数f(t)を以下の如く定義する. f(t)=a exp(bt)+c (a, b<0, c>0) 実験データにa, b, cをフリーパラメータとして最小自乗法でフィットさせる。この凍結関数は非線形関数であるが、時間が無限大のとき第1項はゼロとなって切片cに収束し、これは凍結範囲の凍結限界の大きさに相当する。この凍結関数を用いた解析により,両群での凍結特性を検証している最中である.これにより実際の治療時の治療計画をより精度が高い方法で行う事を目的としている.また実査のデータから凍結半径と治療に必要な温度(-20℃)の半径の違いを両郡で検討している.病理学的には,塞栓群と非塞栓群での壊死範囲の病理学的検討を行っている.さらびthernal sink effectの検討を行うために,3mm以上の血管の周囲での壊死の状況の病理学的な違いを検討している.
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