腎癌の凍結治療が普及している,しかしその成績は部分切除には及ばない原因にthernal sink effectがある.腎動脈血流があるので,凍結範囲が広がらず,さらに太い血管がある周囲では十分に低温が得られないため,再発の原因となることが予想される.このため,今回腎動脈血流遮断下に豚腎の凍結を行い,その凍結範囲を通常の凍結範囲と比較した.さらに病理学的な検討も行った.腎動脈血流遮断下の凍結は,凍結半径が平均で1.7±0.06mmであり,通常の凍結の平均半径1.2±0.12mmと比較して有意に改善が得られた.-20℃程度で完全な細胞死が病理学的に観察された.
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