本研究では,電荷結合素子カメラ‐有機蛍光体システムによる面積型検出器を用いた強度変調放射線治療の照射野内の線量精度評価および機器精度評価を行い,強度変調放射線治療照射技術の品質保証・管理を試験的に行った.総合的な研究として,面積型検出器の製作,電荷結合素子カメラ‐有機蛍光体システムを用いた品質保証・管理の評価法の開発を行い,強度変調放射線治療を含めた高精度放射線治療の線量精度評価や機器精度評価の品質保証・管理の高精度な測定法を確立することを目的とした. 水等価物質のプラスチックシンチレータ(BC-408)を材質とした420 mm x 420 mm,厚さ10 mmの面積型検出器を製作した.面積型検出器には,入射した光子の信号を増幅させるために,厚さ1 mmの銅板が付着してある.加えて,検出器から放出される光を任意の角度で反射させることが可能な反射鏡を製作した.相補型金属酸化膜半導体センサーを有する電荷結合素子カメラにより,検出器から発光される蛍光画像をプログレッシブ方式で取得することにより,時間軸に沿って秒間約60フレームで記録することが可能であった.電荷結合素子カメラ‐有機蛍光体システムを基盤とした面積型検出器の強度変調放射線治療の品質保証・管理法は,臨床的に強度変調放射線治療に要求される水準を満たし,我々が考案したシステムは,実際の臨床に適応できる精度に達成したと考える.
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