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2013 年度 実績報告書

低線量率照射による二本鎖切断残存および誤修復を利用した放射線感受性予測法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24791338
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

田中 智樹  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80594598)

キーワード放射線感受性 / 低線量率 / 染色体解析
研究概要

福島原発の低線量被曝の問題から個人の放射線感受性を計るアッセイの開発は重要と考えている。昨年度より癌細胞および正常組織細胞の放射線感受性を治療前に予測するpredictive assayを低線量率照射による染色体損傷解析を用いて解析してきた。高線量率を使用したpredictive assay は他施設でも試みられているが、十分な成果が得られていない。低線量率照射で生じるDNA2本鎖切断は、蓄積される傾向があり、細胞によりその認知が異なることが予測され、predictive assayに役立つことが期待される。昨年度は高線量率(2 Gy/min)のX線を正常線維芽細胞に照射し、高線量率照射による初期損傷を未熟染色体凝集法を用いて解析した。今年度は、0.5Gy/dayの低線量率照射で正常線維芽細胞、Ataxia Telangiectasia由来の線維芽細胞に照射を行い染色体解析を行った。高線量率照射ではギムザ染色によるG0/G1期染色体損傷は正常人の線維芽細胞もAT由来の細胞でも差異が見られなかったが、低線量率ではAT細胞では明らかに修復されずに残存する染色体断片数が正常細胞より多くAT細胞では低線量率では修復されずに残存する染色体断片が多いことが観察された。染色体損傷修復における誤修復の頻度を調べるためにFISH法による解析をG0期と継代後のG2期で比較検討した。正常細胞でもAT細胞でもG0/G1期でも誤修復はほぼ完成していることが観察された。AT細胞の放射線感受性のメカニズムとしてG1/S期のチェックポイント機能の低下が示唆されているが本研究からは低線量率での誤修復そのものが高感受性のメカニズムと考えられた。癌細胞で同様な実験を行ったが長期間G0期での培養では、正常細胞と異なり定着せず浮遊したため、現在のところ解析が困難であり今後も改善を加え検討を行いたい。本研究の成果は国際学会誌に投稿する予定でいる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 前立腺癌に対するIMRT併用小線源療法における直腸毒性の軽減2013

    • 著者名/発表者名
      田中智樹,萬 篤憲,戸矢和仁,吉田佳代,高橋 茜,黒岩信子, 西山徹,矢木康人,斉藤史郎
    • 学会等名
      第26回 日本放射線腫瘍学会学術大会 平成25年10月18日
    • 発表場所
      ホテル青森・リンクステーションホール青山
    • 年月日
      20131018-20131020
  • [学会発表] 前立腺癌に対するIMRTの初期経験2013

    • 著者名/発表者名
      田中智樹,栗林 徹,池本孝司,三嶽秀介,小切孝洋
    • 学会等名
      第443回 日本医学放射線学会 関東地方会
    • 発表場所
      東京コンファレンスセンター品川
    • 年月日
      20130601-20130601

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公開日: 2015-05-28  

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