研究概要 |
第一に21℃のMRI 室にボランティア(7名)を安静にさせ、ガム咀嚼(5分)をさせた。ガム咀嚼前、咀嚼直後、4分後、8分後、12分後で、MRIを撮像し、おもに拡散情報についての解析を行った。b factorは、0, 10, 20,40,80, 120,200,300,500,700, 900の11を設定した。ADC mapは、灌流をおもに反映するb factor 200以下 (ADC b<200)と拡散を主に反映する200以上 (ADC b>200) にわけて、2種類作成した。ADC b<200は、咀嚼直後から高い値となり、4分後~8分後で、最大になり、その後も、12分後まで比較的高い値となった。一方、ADC b>200の変化は、ADC b<200に比較し、小さく、やや早い時間で、咀嚼前の値に近づいた。この事より、血流変化は、咀嚼後比較的長い時間にわたって持続する事が示唆された。 次に咬筋部に温度刺激を行い、変化をMRで観察した。二つの手法、ポンプ法(温水を循環させ、チューブを接触させる。)、容器接触法(プラスチック容器に温水をいれ、接触させる。)温度を保てるため、ポンプ法がよいと予想されたが、接触面積が小さく、温度を感じにくいため、H24年度はおもに容器接触法をおこなった(5名)。容器の中の温度は、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃である。温度45℃では、咬筋のADCは、増大したが、体温以下の25℃~35℃では、増大傾向はなかった。なお、容器内の温水のADCは、温度変化を反映し、温度の上昇とともに増大したが、接触面付近の皮下脂肪などはそのような傾向なく、単なる温度変化を反映しているは考えにくく、やはり、血流量などの生理学的な変化を反映しているものと考えられた。
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