研究概要 |
ボランティアを室温21℃のMRI室にて安静にし、その後ガム咀嚼(4分)を行った。ガム咀嚼後、咬筋部に温度刺激を加えない時と、咀嚼直後に容器接触法(プラスチック製容器に温水を入れ、接触)にて温度刺激を行った時の経時的な変化を観察した。容器の中の温度は、41℃である。ガム咀嚼前、咀嚼直後、4分後、8分後、12分後でMRIを撮像し、主に拡散情報についての解析を行った。b-factorは0.20.40.80.120.200.300.500,700,900s/mm2の11個を設定し、ADC mapは、灌流をおもに反映するb factor 200以下(ADC (b<200))と拡散を主に反映する200以上(ADC( b>200))の2種類にわけて作成した。 ADC (b<200)の場合、ガム咀嚼のみの場合は咀嚼終了後、12分でもADC(b<200)は、増大したままであった。一方、温熱刺激した場合では、ADC (b<200)の変動は、ガム咀嚼のみの場合にくらべて少なく、ADC値も低値であった。一方、ADC (b>200)の変化は、ADC (b<200)と比較して小さかった。なお、この場合もADC値はガム咀嚼のみの場合にくらべてADC値が低値であった。 b-factorが小さい時は、主に灌流を反映しているといわれる。咀嚼によりおこる筋肉内の血流増加や浮腫がおこるが、温熱刺激により軽減される結果となった。このことは、筋肉周囲の血管拡張による影響と考察される。
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