ＰＥＴを用いたドーパミン、グルタミン酸神経伝達系の相互作用の研究

2014 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 24791352
• 研究機関: 独立行政法人放射線医学総合研究所
• 研究代表者: 木村 泰之 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 主任研究員 (20423171)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2015-03-31
• キーワード: 代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ5 / mGluR5 / PET / reproducibility

研究実績の概要

代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ5の受容体密度を、ヒト生体内において高精度に測定する方法を確立するため、新規PETリガンドである11C-(E)ABP688の臨床評価を行った。代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ5のリガンド11C-(E)ABP688は、世界的にヒトに使用されている11C-ABP688の活性異性体であるE体のみを精製したリガンドである。初年度に前臨床安全性評価、被曝線量推定を行った。昨年度にはPET薬剤審査委員会および研究倫理審査委員会において審査を受け、その臨床使用について承認を受けた。最終年度には、健常男性４名に対し、同日再現性試験を行った。その結果、11C-ABP688の分布容積は2-tissue compartmeent modelでよく推定された。再現性については、午前中に比較して午後のスキャンによる分布容積が約30%低下した。この低下の原因は、測定上の問題の可能性が低く、受容体密度かグルタミン酸濃度の日内変動の可能性が高いと考えられた。