ドーパミンとグルタミン酸の二つの神経伝達系の相互作用に関与する代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ5密度のヒト生体内における高精度な測定法を確立するため、新規PETリガンドである11C-(E)ABP688の評価を、健常者に対し同日再現性試験として行った。その結果、 11C-(E)ABP688の分布容積は精度よく推定され、受容体密度を反映した。しかし、午前に対して、午後の分布容積が約30%低下した。11C-(E)ABP688を用いた脳代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ5の測定は、再現性が十分ではないが、グルタミン酸神経伝達系の内因性の変動を反映している可能性もあり、さらなる検討が必要である。
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