研究課題
軟骨肉腫は放射線抵抗性の腫瘍として知られており、一般に外科的切除が治療の第一選択とされているが、切除不能症例や残存症例などに対して、放射線治療が行われている。軟骨肉腫の放射線抵抗性の要因として、腫瘍における細胞外基質の存在や細胞周期が長いこと、血管が少ないこと等が考えられているが、その詳しいメカニズムは明らかになっていない。また近年、従来のX線による放射線治療と比較して、高LETである炭素イオン線治療の良好な成績が報告されている。そこで研究目的を炭素イオンにおけるLET依存性バイスタンダー効果、にまず焦点をあて、LETの異なる炭素イオン線照射による軟骨肉腫細胞から産生・放出されるバイスタンダー刺激を調べることにより、バイスタンダー刺激にLET依存性があるのかを解析した。軟骨肉腫細胞に対して3種類のLET(15、30、70 KeV/μl)を用いて炭素イオン線照射1Gy-8Gyを行い、コロニー形成法により、で細胞の生存率を計測した。その結果、高LET炭素イオン線照射では低LET炭素イオン線照射と比較して高い殺細胞効果を示し、LET依存性の殺細胞効果が示された。LETの異なる炭素イオン線(15、30、70 KeV/μl)を2Gy照射された軟骨肉腫細胞とバイスタンダーヒト線維芽細胞を共培養し、DNA損傷の頻度をmicronucleus assayを用いて、計測するとコントロールと比較して照射細胞と共培養した線維芽細胞におけるバイスタンダー反応をいずれのLETでも認めたが、LETによる差は無い傾向であった。
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