核医学で汎用されるTc-99mの安定供給を考え,従来の原子炉による製法ではなく,医療用加速器を利用した製造について検討を行った。同時に製造作業における簡便性並びに作業者の被ばく低減を目指し,標的物質の調製からTc-99mの回収・精製に至る一連の工程を遠隔自動化することを試みた。 本研究では,およそ6~8 mCi/μAhの照射終了時収率でTc-99mを製造し,2種類のカラムを利用することで放射化学的純度99%以上の[99mTc]TcO4-を75分以内に得ることに成功した。適用条件をさらに検証することで,Tc-99mの製造において加速器が原子炉を代替することも可能であると考えられた。
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