本研究では、放射線治療用電子線の吸収線量を絶対測定できる線量計として、薄入射窓グラファイトカロリーメータの開発を行った。飛程の短い電子線に対する十分な透過性と、カロリーメータの受光部の断熱性(真空断熱)を両立するため、グラファイト基板に高密度グラファイトを蒸着させた窓材を開発した。その結果、受光部の深さを、6MeVの電子線の線量最大深よりも浅くすることに成功した。また交流ブリッジ回路を基にした薄入射窓カロリーメータの制御測定装置も開発し、薄入射窓グラファイトカロリーメータをテストした結果、約5μW程度の精度(標準偏差)で測定できることを確認した。
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