金属ナノ粒子を含む放射線増感剤を開発するための基礎的な物理データを取得することが目的である。医療用リニアックからのX線を金属材料に照射し、散乱電子線をガフクロミックフィルムにて測定した。金属板、金属薄膜、金属ナノコロイド溶液を用いて空間的な配置を工夫した測定系を構築し、モンテカルロ計算と組み合わせて2次電子の発生量とエネルギー分布及び局所線量を推定した。合わせて、蛍光試薬を用いて金属コロイド溶液中での活性酸素種を検出しX線照射後に蛍光強度の測定を行った。金属ナノ粒子の粒径や濃度の依存性を含め定量的評価は今後の課題である。
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