研究概要 |
大腸癌細胞株の同所移植を行ったマウスの原発巣(盲腸)と転移巣(肝臓、肺、リンパ節、腹膜など)に由来する600パラフィン検体を用いて、免疫組織化学染色 (血管新生 (抗CD34 抗体), リンパ管新生 (抗D2-40 抗体), VEGF その他)さらに上皮間質変換の研究を進めている。EMT (Epithelial-Mesenchymal Transition) については、E-cadherin, vimentin, cytokeratinそのほかの免疫組織化学染色を行い、それぞれの特徴を有する細胞株を同定してきた。22種類の大腸癌細胞株における免疫組織化学染色様式は極めて特徴的であり、これらの細胞株を上皮形質群と間質形質群に分類することが可能であると考えている。これらの大腸癌細胞株に由来するマイクロアレイ結果との相関解析を現在進めている。これらの手法によって、EMTそのほかを規定している原因遺伝子の絞り込みを進めており、さらにin silico 解析、siRNA を基盤とするin vitro, in vivo 解析、それ以外の遺伝子個別の機能解析へと進めている段階である。免疫染色等を含めた臨床検体(外科切除標本)におけるこれらの遺伝子群の発現と臨床情報を対比させることから、治療標的としての妥当性をさらに明らかにしていく。日本消化器外科学会等で研究成果の報告を行うとともに、情報収集を進める。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
同所移植を行ったマウスに由来する600パラフィン検体の免疫組織化学染色は、おおむね順調に進めることができた。この実験では、学位取得を目指す当外科学教室の大学院生を指導しながら、研究を進めている。22種類の大腸癌細胞株におけるE-cadherin, vimentin, cytokeratinそのほかの染色様式は極めて特徴的であり、これらの細胞株を上皮形質群と間質形質群に分類することが可能であると考えている。現在、さらにin silico 解析、siRNA を基盤とするin vitro, in vivo 解析、それ以外の遺伝子個別の機能解析へと進めるべく、計画を進めている。
|