研究概要 |
まず、平成24年度からの計画である「ADSCのin vivo direct reprogrammingの解析」について検討数を増やし解析を継続した。しかし、三因子(MafA, PDX-1, Ngn3)を導入したADSCを経門脈的に移植した肝臓から、免疫組織化学染色およびin situ肝灌流モデルを用いたELISAにより検出し得るインスリンを同定することはできなかった。 そこで、平成24年度の計画である「ADSCのin vitro direct reprogrammingの解析」について再検討を追加した。当初Adenovirus vectorを用いてADSCに三因子を同時に導入し、GFPの蛍光を観察することで導入の確認を行っていたが、再検討時には三因子を別個(または同時)に導入し、qRT-PCR法を用いて導入の確認を行った。するとMafAとPDX-1においては導入によりそれぞれmRNAの有意な上昇が認められるのに対し、Ngn3においては上昇が認められなかった。結果、Ngn3のAdenovirus vectorはworkしていないことが判明した。またインスリンmRNAに関しては、三因子を別個(または同時)に導入したどのADSCにおいても有意な上昇を認めることはなかった。現在までにADSCへPDX-1を単独導入することでin vitroまたはin vivoにおけるインスリンの発現を確認できたとする報告例があるが、本研究では再現することができなかった。またNgn3のAdenovirus vectorに関しては、workしていなかったため再度作成を行っている。 以上より申請時、平成25年度の計画としていた「糖尿病化マウスを用いたdirect reprogramming ADSCのinsulin potential解析」および「移植後の腹腔内パルス投与を用いた糖尿病メンテナンス」については検討することができなかった。
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