今回我々は、Calpainが腹部大動脈瘤の発症・進展に及ぼす影響を検討することを目的とした。腹部大動脈瘤のモデルには、AngIIモデルを使用した。Calpain阻害薬を用いた検討では、組織のMMP12の活性を抑制し、またマクロファージの集簇を抑制することで腹部大動脈瘤の発症・進展を抑制することが示された。Calpain-1ノックアウトマウスを用いた検討では、腹部大動脈瘤の進展が抑制されなかった。これは、Calpain-2がCalpain-1を代償することでCalpainシグナルが促進されたためであることが示唆された。
|