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2012 年度 実施状況報告書

ヒト末梢血単核球に対する低酸素プレコンディショニングの有用性と安全性の検証

研究課題

研究課題/領域番号 24791378
研究機関山口大学

研究代表者

村上 雅憲  山口大学, 医学部附属病院, 助教 (30448295)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード低酸素プレコンディショニング / 末梢血単核球細胞
研究概要

本年度は、健常者の末梢血単核球細胞 (PBMNCs)が低酸素プレコンディショニング (2%酸素濃度、33℃、24時間)により受ける種々の影響について解析した。
健常者上腕の皮静脈より採血し、血清分離後に比重遠心法により単離されたPBMNCsを低酸素プレコンディショニングし、FACS解析を行ったところ、PBMNCs中のCD3、CD4、CD8、CD15陽性細胞の割合は、対照群と比べて変化せず、低酸素処理はPBMNCsの細胞分画に影響を及ぼさないことが明らかとなった。次に、低酸素プレコンディショニング によって健常者のPBMNCsが機能増強されているか否かについて細胞接着性、血管新生因子VEGFの産生能、酸化ストレス抵抗性を指標として検討した。その結果、低酸素プレコンディショニング によって有意な細胞接着能の増大が認められた。また、接着細胞中のCD31陽性細胞数を検討したところ、低酸素プレコンディショニング処理された群においてCD31陽性細胞率が増加していた。続いて、低酸素プレコンディショニング処理されたPBMNCsの培養上清中のVEGF濃度をELISA法により算出したところ、対照群と比べて有意なVEGF産出量の増加が認められた。さらに、低酸素プレコンディショニング処理した後に過酸化水素処理を行い、酸化ストレス抵抗性を検討したところ、低酸素処理群では、対照群に比べてReactive Oxygen Species (ROS)産出量の低下および細胞生存率の上昇が認められた。
以上の結果より、低酸素プレコンディショニング によってPBMNCsの機能増強が誘導されることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

in vivoでの解析として、低酸素プレコンディショニングした健常者の末梢血単核球細胞 (PBMNCs)を下肢虚血モデルマウスに移植し、移植後の細胞接着能や血管再生能の検討を行えなかったため。さらに、臨床患者由来の末梢血単核球細胞を用いた同様の検討(特にin vitroでの検討)も行えなかったため。

今後の研究の推進方策

in vivoでの解析として、低酸素プレコンディショニングした健常者の末梢血単核球細胞 (PBMNCs)を下肢虚血モデルマウスに移植し、移植後の細胞接着能や血管再生能の検討を行う。さらに、臨床患者由来の末梢血単核球細胞を用いた同様の検討(特にin vitroでの検討)も行う。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 自己末梢血単核球を用いた血管新生療法における低酸素プレコンディショニング(HPC)の前臨床試験2013

    • 著者名/発表者名
      工藤智明
    • 学会等名
      第12回再生心臓血管外科治療研究会
    • 発表場所
      ホテルグランパシフィック LE DAIBA(東京)
    • 年月日
      20130225-20130225

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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