• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

消化器癌におけるCDH3プロモーター領域の脱メチル化の意義

研究課題

研究課題/領域番号 24791384
研究機関熊本大学

研究代表者

今井 克憲  熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (60555746)

キーワードP-cadherin / CDH3 / 脱メチル化 / 肝内胆管癌
研究概要

昨年度、これまで当科において外科的に切除された肝内胆管癌59例の免疫染色による検討により、P-cadherinの発現は腫瘍径(p=0.006)およびリンパ節転移の有無(p=0.044)と有意に相関し、P-cadherinの発現は無再発生存、生存の予後規定因子であることを同定した(p=0.019およびp=0.0012)。P-cadherinを高発現する胆管癌細胞株HuCTT-1に対しsiRNAを用いてP-cadherinの発現抑制系を、またP-cadherinを発現しない胆管癌細胞株RBEに対しウイルスベクターを用いてP-cadherinの強制発現系をそれぞれ作製し、phenotypeの検討を行った。その結果、P-cadherinは癌細胞の浸潤・遊走能を亢進させることが判明した。肝内胆管癌切除症例のうち、免疫染色にてP-cadherinが高発現していた10例及び低発現10例につき、P-cadherinのプロモーター領域のメチル化の有無を、メチル化特異的PCRにて検証した。その結果、P-cadherin低発現症例では10例中全例でそのプロモーター領域のメチル化が認められたが、高発現症例では10例中6例で脱メチル化されていた。
以上より、胆管癌においてP-cadherinの発現は浸潤、遊走能の上昇を介して癌の悪性化に寄与しており、その発現にはプロモーター領域の脱メチル化が関与している可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画に基づいて研究を遂行しており、得られた結果は学会にて発表することができたため。

今後の研究の推進方策

P-cadherinは、肝内胆管癌のみでなく、その他の癌腫、特に膵癌や胃癌、大腸癌においても、癌部に特異的に発現していることが分かっている(Imai et al. Clin Cancer Res 2008)。そこで、今回肝内胆管癌において確認された現象が、他の癌腫においても同様であるのかを確認する予定である。具体的には、当科における膵癌切除症例について、まず免疫組織学的検討により、P-cadherinの発現が癌の悪性度や生命予後に寄与するのかどうかを検討する。さらに、膵癌細胞株を用いてP-cadherinの強制発現系及び発現抑制系を作製し、Phenotypeの変化を確認する。加えて、高発現症例及び低発現症例においてP-cadherinのプロモーター領域のメチル化状態を検証し、メチル化が蛋白発現に与える影響を検討する予定である。

次年度の研究費の使用計画

消耗品について、比較的安価で購入、および医局内管理のものを利用できたため。
今年度肝内胆管癌において確認された現象が、他の癌腫においても同様であるのかを確認する予定であり、その際の消耗品費及び動物実験費用に充てる。また、関係書類のファイリング、研究成果発表のためのデータ収集と整理、保管を行ってもらうための人件費に充てたいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 肝内胆肝癌におけるP-cadherinの発現と予後との関連2013

    • 著者名/発表者名
      坂本慶太、今井 克憲、中川 茂樹、岡部 弘尚、新田 英利、林 洋光、近本 亮、石河 隆敏、別府 透、馬場 秀夫
    • 学会等名
      第68回日本消化器外科学会
    • 発表場所
      宮崎・シーガイヤコンベンションセンター
    • 年月日
      20130718-20130718

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi