当科で外科的根治切除を行った肝内胆管癌59例と膵癌73例において免疫染色を行い、P-cadherinの発現解析を行った。多変量解析において、P-cadherinの高発現は肝内胆管癌、膵癌患者の無再発生存の独立規定因子であった。胆管癌細胞株および膵癌細胞株を用いたin vitro assayにて、P-cadherinの発現は癌細胞の浸潤、遊走に関与しており、プロモーター領域の脱メチル化がその発現に寄与していた。肝内胆管癌及び膵癌におけるP-cadherinの発現は癌細胞の浸潤、遊走能の亢進を介して予後に影響を与え、その発現はプロモーター領域の脱メチル化を介していることが示唆された。
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