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2012 年度 実施状況報告書

放射線性腸炎・皮膚炎に対する新規抗酸化剤の有効性

研究課題

研究課題/領域番号 24791386
研究種目

若手研究(B)

研究機関大分大学

研究代表者

杉田 諭  大分大学, 医学部, 医員 (20625470)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード実験外科学
研究概要

平成24年度の研究計画は、開発した新規ビタミンE誘導体ETS-GSの放射線性腸炎モデルに対する抑制効果を検討することであった。雄性SDラットをコントロール群、放射線照射単独群、放射線照射+ETS-GS投与群の3群に分け、放射線照射単独群と放射線照射+ETS-GS投与群はセシウムを線源とした放射線10Gyを全腹一回照射した。ETS-GS投与群はさらに放射線照射2日前から照射後2日目まで計5日間、1日10mg/kgのETS-GS皮下投与を行った。採取した回腸の病理学的所見においてETS-GS投与群は放射線照射による粘膜損傷の軽減が認められた。また回腸組織のアポトーシス、酸化ストレスの発生が軽減されており、ビタミンE誘導体ETS-GSの皮下投与によって、放射線性腸炎による粘膜障害への抑制効果が示され、この効果には粘膜における酸化ストレス発生や上皮細胞のアポトーシス誘導抑制の関与が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度に研究予定であった新規ビタミンE誘導体ETS-GSの放射線性腸炎モデルに対する抑制効果の検討では、臨床所見・回腸粘膜の肉眼的・病理学的初見、アポトーシスや酸化ストレスマーカーの測定など、種々の検討項目を行うことにおいて概ね達成できた。現在症例を増やして結果を詳細に検討している状況である。また、新たな検討項目として炎症系マーカーの測定を追加しているところであり、こちらも予備実験において効果を示しており、本実験においても十分な効果が期待される。

今後の研究の推進方策

平成25年度は、前年度に明らかにした放射線性腸炎モデルにおけるビタミンE誘導体ETS-GSの抑制効果に関する各種アッセイに追加して、さらに血中・組織中炎症系マーカー測定や抑制効果のメカニズム解明などを加え論文化を目指す予定である。また、放射線性皮膚炎モデルや放射線性腸炎(晩期障害)モデルに対するビタミンE誘導体ETS-GSの抑制効果の検討を行う。

次年度の研究費の使用計画

①放射線性腸炎モデルにおけるビタミンE誘導体ETS-GSの抑制効果: 平成24年度に明らかにした内容に加え、血中・組織中炎症系マーカー測定を行う。②放射線性皮膚炎モデルにおけるビタミンE誘導体ETS-GSの抑制効果: 雄性SDラットをコントロール群、放射線照射単独群、放射線照射+ETS-GS投与群の3群に分け、放射線照射単独群と放射線照射+ETS-GS投与群はセシウムを線源とした放射線10Gyを一回照射する。ETS-GS投与群はさらに放射線照射2日前から照射後2日目まで計5日間、1日10mg/kgのETS-GSを皮下投与する。放射線照射3日後に犠死させ皮膚組織を回収し、皮膚炎抑制効果を検討する。評価項目として、皮膚組織の臨床・肉眼・病理組織学的所見、アポトーシスの程度、酸化ストレスマーカーの測定を行う。③放射線性腸炎モデルにおけるビタミンE誘導体ETS-GSの抑制効果(晩期障害): 放射線照射後比較的期間をおいた(半年~1年)ラットモデルから回腸組織を採取し、組織障害の程度及びビタミンE誘導体ETS-GSの抑制効果を網羅的に解析し、比較検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 新規抗酸化物質ETS-GSはラット放射線性腸炎モデルの回腸粘膜障害を改善する2012

    • 著者名/発表者名
      杉田諭、河野洋平、平塚孝宏、上田貴威、白下英史、衛藤剛、安田一弘、猪股雅史、野口剛、白石憲男、北野正剛
    • 学会等名
      第112回日本外科学会定期学術集会
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      20120412-20120414

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公開日: 2014-07-24  

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