患者体内で安全・簡便に移植片を作製する『生体内組織形成技術』を用い小口径人工血管の開発を行った。 ラット背部皮下に径1.5mm、長さ20mmのシリコーン円柱基材を埋入し、4週後に基材周囲に形成されたカプセル化組織と共に摘出、基材を抜去することでバイオチューブを得、ラット腹部大動脈へ自家移植を行った。術後1年6ヵ月のグラフト開存性は89%と高く、グラフトの瘤化・狭窄を認めなかった。組織学的評価ではグラフト内腔は内皮細胞に覆われ、α-SMA陽性細胞やエラスチンが層状に形成されており血管壁構造が再構築されていた。 バイオチューブは移植後1年を超える長期でも高い開存性、耐久性を示した。
|