研究課題/領域番号 |
24791409
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
児玉 創太 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (10583875)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 再生医学 / 癌幹細胞 / 肝臓癌 |
研究概要 |
1. ヒト肝癌細胞株を用いたCK19陽性細胞の単離解析 数種類のヒト肝癌細胞株(HepG2, Hep3B, HuH7など)にCK19プロモーター下に蛍光蛋白EGFPを発現するレポーターベクター(pCK19-EGFP)を遺伝子導入し、フローサイトメトリーを用いて蛍光を発するCK19陽性細胞の抽出に成功した。今後、癌幹細胞の定義である自己複製能,分化能、造腫瘍性について検討を加える予定である. 2.ヒト肝癌臨床検体を用いた実験 臨床検体におけるCK19陽性細胞の割合と転移・再発および予後に関する統計解析を行った。我々の施設でホルマリン固定して保存している臨床検体を用い、CK19の免疫染色を行った所、無再発生存率において、CK19陰性患者に比較し、陽性患者で有意に予後が悪かった。今後はさらに、転移・再発および予後との関連を統計学的に解析する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
数種類のヒト肝癌細胞株(HepG2, Hep3B, HuH7など)にCK19プロモーター下に蛍光蛋白EGFPを発現するレポーターベクター(pCK19-EGFP)を遺伝子導入し、フローサイトメトリーを用いて蛍光を発するCK19陽性細胞を抽出するところまではできたからである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、CK19陽性細胞について、癌幹細胞の定義である自己複製能,分化能、造腫瘍性について検討を加える.また、CK19が先行論文で既に報告されている癌幹細胞マーカーとの関連性についても調べる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
1. ヒト肝癌細胞株を用いたCK19陽性細胞の単離解析 CK19プロモーター下に蛍光蛋白EGFPを発現するレポーターベクターを遺伝子導入し、フローサイトメトリーを用いて蛍光を発するCK19陽性細胞を抽出したヒト肝癌細胞株について、癌幹細胞の定義である自己複製能,分化能、造腫瘍性について検討を加える.具体的には,フローサイトメトリーを用いたsingle cell sortによるCK19陽性/陰性細胞の単離培養を行い,単離培養下における細胞分化能や自己増殖能の検討する.さらにはCK19陽性/陰性細胞における細胞増殖能,免疫不全マウスへの造腫瘍性の差を検討する.また,癌幹細胞は治療抵抗性に関与していると考えられているが,薬剤耐性遺伝子などの検討をCK19陽性細胞と陰性細胞との間で行う. 2.ヒト肝癌臨床検体における肝癌幹細胞関連遺伝子または肝癌幹細胞関連miRNAのスクリーニング 我々の教室で保存している凍結検体(腫瘍組織、正常組織)を用い、癌幹細胞関連遺伝子のスクリーニングを行う。各検体からmessenger RNAを抽出し、cDNAライブラリーを作成した上で、候補となる遺伝子についてRT-PCRを用いて遺伝子発現の有無を確認する。一定数の検体で高発現が認められる遺伝子については、生存期間解析のため二次スクリーニングを行う。サンプルサイズは一次スクリーニングの結果から算出する。さらに当教室保管の凍結検体を用い、各々miRNAを抽出、精製、cDNA化したmiRNAライブラリを作成する。microRNA arrayによる網羅的検索を行う(外部委託)。癌幹細胞としてのCK19陽性細胞の有無に加えて、上記実験2.の二次スクリーニングの結果により予後に強く関連する要因があればこれも考慮に入れたグループ分けを行い、それぞれスクリーニングを行い、関連するmiRNAの候補を抽出する.
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