適格条件を満たした、3名の難治性皮膚瘻患者に対し、自己脂肪組織由来間葉系前駆細胞(ADRCs)を用いた組織再生医療を実施した。対象症例,治療の概要,効果は以下の通りであった。 年齢27歳男性、診断名クローン病・右結腸切除後縫合不全・吻合部-皮膚瘻、手術時間206 min、出血量20 g、エピネフリン加キシロカイン液660 ml、脂肪組織採取部位 左右大腿・左臀部、脂肪組織採取量290 ml、濃縮細胞液5 ml、Viability93 %、細胞数1.164E+08、瘻孔容量1.5 ml、瘻孔周囲1.25 ml、内視鏡下1.25 ml、瘻孔内2.5 ml、フィブリン糊2.5 ml、観察期間8ヶ月、瘻孔 閉鎖。 年齢42歳女性、診断名 潰瘍性大腸炎・大腸全摘・回腸嚢肛門管吻合術後回腸嚢-皮膚瘻、手術時間248 min、出血量20 g、エピネフリン加キシロカイン液600 ml、脂肪組織採取部位 左右大腿・左右臀部、脂肪組織採取量333 ml、濃縮細胞液5 ml、Viability 88.8 %、細胞数6.480E+07、瘻孔容量1 ml、瘻孔周囲1.25 ml、内視鏡下1.25 ml、瘻孔内2.5 ml、フィブリン糊2.5 ml、観察期間4ヶ月、瘻孔 閉鎖。 年齢43歳男性、診断名 直腸カルチノイド術後縫合不全・吻合部-皮膚瘻・潰瘍性大腸炎、手術時間250 min、出血量20 g、エピネフリン加キシロカイン液680 ml、脂肪組織採取部位 左右大腿・左右臀部、脂肪組織採取量335 ml、濃縮細胞液5 ml、Viability 84.3 %、細胞数5.200E+07、瘻孔容量1.5 ml、瘻孔周囲1.25 ml、内視鏡下1.25 ml、瘻孔内2.5 ml、フィブリン糊2.5 ml、観察期間1ヶ月、瘻孔 閉鎖。 CTにて経時的に評価したところ、組織欠損部位(移植部位)は画像上確認可能であった。
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