研究概要 |
microRNA arrayより選出された抗癌剤感受性と相関する3種のmicroRNAのうち、非奏功例の血清にて高発現を認めたmicroRNA(miR-X, miR-Y)に着目して、in vitroで抗癌剤耐性との関係性を検討した。食道癌細胞株TE10を用い、anti-miR-X, anti-miR-Yを導入し、TE10の増殖能と抗癌剤感受性を、proliferation assay, WST assay, apoptosis assayを用いて行った。controlmiR導入細胞と、anti-miR導入細胞は、増殖能、抗癌剤感受性、アポトーシスにおいて差は認めなかった。次に、食道癌切除検体の正常食道部より採取した正常線維芽細胞(NOF)と、癌部より採取したCAF(癌関連線維芽細胞)を培養し、pre-miR-X, pre-miR-Y, control miRを導入した培養上清をTE10に移植し、抗癌剤感受性を検討した。WST assayでは、pre-miR-X, pre-miR-Y導入NOFの培養上清は、control miR導入NOFに比べ、シスプラチン(CDDP)に対する感受性が低下し、CAFの上清で培養したTE10と同程度のCDDP抵抗性を示した。Apoptosis assayでも同様に、CAF、pre-miR-X・pre-miR-Y導入NOFはcontrol miR導入NOFに比べアポトーシスが抑制されていた。(2)血中エクソソーム分画におけるmiRNA発現確認超遠心、Exoquick®(エクソソーム抽出試薬)を用いて、血清よりエクソソームを抽出した。Western blotting、電子顕微鏡により、上記両方法によりエクソソームが抽出できていることを確認した。
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