研究課題
【研究の目的】大量肝切除後あるいは生体肝移植後の肝不全は重要な問題であり、その克服は重要な課題である。近年、脳または心筋においては虚血再灌流傷害における小胞体ストレスの関与は報告されているが、大量肝切除術後あるいは生体肝移植術後における虚血再灌流傷害時の小胞体ストレス応答の関与に関しての検討はない。本研究では大量肝切除術後あるいは生体肝移植術後における虚血再灌流傷害時の小胞体ストレスの関与を明らかにすることを目的とする。【研究実施計画】平成24年度:大量肝切除術後肝不全モデルに対する小胞体ストレス応答の関与について検討する。平成25年度:肝切除術後肝再生モデルに対する小胞体ストレス応答の関与について検討する。【研究実績】1.大量肝切除術後肝不全に対する小胞体ストレス応答の関与の確認:正常ラットに90%大量肝切除を行い肝再生における小胞体ストレス応答の経時的変化の程度による違いについて検討したところ、90%大量肝切除後には術後1、3、7、14、21日と経時的に小胞体ストレス応答関連遺伝子(ATF6、XBP1、CHOP、GRP78、HSP70)のmRNAが最大約6倍までup regulateされていた。さらに、小胞体ストレス応答は、肝切除術後7日目以降の後期に強くup regulateされていた。2. 肝切除術後肝再生に対する小胞体ストレス応答の関与の確認:正常ラットに70%大量肝切除を行い肝再生における小胞体ストレス応答の経時的変化の程度による違いについて検討したところ、70%大量肝切除後には術後1、3、7、14、21日と経時的に小胞体ストレス応答関連遺伝子(ATF6、XBP1、CHOP、GRP78、HSP70)のmRNAが約1.5~3倍までup regulateされていたが、90%大量肝切除の肝不全モデルほど、強発現はしていなかった。
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