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2013 年度 実績報告書

膵癌微小環境に基づく放射線抵抗機序解明と新規人工ウイルスによる責任間質細胞の制御

研究課題

研究課題/領域番号 24791431
研究機関九州大学

研究代表者

鬼丸 学  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 共同研究員 (80529876)

キーワード膵癌 / HDAC1 / Double Strand Break / 放射線抵抗性
研究概要

膵癌における放射線耐性の機序解析に関する研究として本年は、HDAC1を中心に検討を行った。HDAC1とはヒストン脱アセチル化酵素の1つで、主にはDNAの転写に関与している。また、これまでの報告にDNAの修復の際にHDAC1が大きく関与していることが指摘された。DNAが放射線照射などによってDouble Strand Breakという致命的な障害を受けることがあるものの、HDAC1の発現が高い細胞ではその修復能力が高くなっていることが判明した。つまり、膵癌においてHDAC1の強発現が放射線照射に対する治療抵抗性を示すこととなる。
そこで、まず膵癌細胞株におけるHDAC1発現について評価したところ、mRNA並びに蛋白質レベルで発現が高いものは放射線照射に対して抵抗性を示すことが確認できた。また、同時にHDAC1の発現が低い膵癌細胞株に放射線を定期的に照射し放射線抵抗性膵癌細胞を作製した。放射線抵抗性膵癌細胞では、HDAC1発現の増加がmRNA並びに蛋白質レベルで確認できた。
そこで、HDAC阻害剤としてのTrichostatin A(TSA)の添加やHDAC1発現抑制としてsiRNAをもともとHDAC1の発現が高い膵癌細胞株や当研究室で作製した抵抗性膵癌細胞に導入して放射線を照射したところ放射線抵抗性の改善を得ることが出来た。HDAC阻害剤に関する臨床治験は現在、他の癌腫リンパ腫等において治療の可能性が示唆されているため、今後膵癌治療においても放射線治療の際にHDAC阻害剤を併用することで治療効果の増強が期待できると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] S100A4 mRNA expression level is a predictor of radioresistance of pancreatic cancer cells.2013

    • 著者名/発表者名
      Kozono S et al
    • 雑誌名

      Oncology Reports

      巻: 30 ページ: 1601-8

    • DOI

      10.3892/ijo.2014.2391

    • 査読あり
  • [学会発表] Histon deacetylase 1 is responsible for radioresistance of pancreatic cancer cells.

    • 著者名/発表者名
      Tanaka T et al
    • 学会等名
      American Pancreatic Association, 44th Annual Meeting
    • 発表場所
      Miami, USA

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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