各実験系より以下の結果が得られた。(1)マウス再生肝においてオートファジー(AP)の発現は術後12時間後より高値となり以降漸減した。AP抑制によってcyclin D1の発現低下及び細胞周期S期の減少した。(3)オートファジーKOマウスでは、肝組織ATPの低下を認めるとともに、BrdU取込率の低下、血清ALT及びアポトーシス増加、ユビキチン化蛋白質の蓄積を認めた。ミトコンドリア(Mt)の障害を認めるとともにβ酸化関連酵素の低発現を認めた。以上より、APは再生時の肝細胞で活性化し、肝再生に重要な役割を果たしていた。この機序としてはMtにおけるβ酸化を介したエネルギー産生が重要であると考えられた。
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