研究課題/領域番号 |
24791448
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
古川 賢英 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (80624973)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | NF-κB / 膵臓癌 / FUT-175 / TNF-α / ゲムシタビン |
研究概要 |
ヒト膵臓癌細胞株(MIAPaCa-2, AsPC-1)を用いてメシル酸ナファモスタット(FUT-175)併用による塩酸ゲムシタビン(GEM)、recombinant TNF-α(TNF-α)の抗腫瘍効果評価した。 in vitro 1. ヒト膵臓癌細胞株に於いて、GEM、TNF-α投与によりNF-κB活性が増強し、更にFUT-175併用する事でそれらのNF-κB活性が抑制されることをELISAにて示した。2. ヒト膵臓癌細胞株にて、GEM、TNF-αのcombination therapyに比してFUT-175を併用したtriple combinationの方が抗腫瘍効果を有する事をMTT assayにて示した。また、triple combination群においてapoptosis蛋白が強くに発現していることをWestern blottingにて示し、それに伴いapotosis細胞が有意に増加していることをFACSにて示した。 in vivo ヌードマウスの皮下にヒト膵臓癌細胞株を注射し、膵臓癌皮下腫瘍モデマウスを作成した。上記マウスにGEMおよびTNF-α発現するアデノウイルスベクターを投与し治療を行ったcombination treatment群とそれにFUT-175を併用投与したtriple combination群で治療効果を比較した。1.triple combination群では有意に皮下腫瘍の増殖抑制効果を認めた。2.摘出した腫瘍切片のTUNEL assayではtriple combination群にて有意にapoptosis細胞を認めた。3.摘出した腫瘍の細胞ではtriple combination群において、有意にNF-κB活性が抑えられていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
現時点でマウスを用いたvivoの実験も行い、論文化まで行っているため。
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今後の研究の推進方策 |
膵臓癌において、その他の抗癌剤や、ウイルスベクターともNF-κB阻害薬併用による抗腫瘍効果の増強が見られるかどうか更なる実験を積み重ねる。 他の癌種に於いてもNF-κB阻害薬併用の抗癌剤治療、遺伝子治療が効果的か、検討していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
ELISA、MTT assayといったvitro実験に必要な消耗品を更に買い足していく。 新たなウイルスベクターとして、CD40Lを発現するウイルスベクターも購入し、その抗腫瘍効果とFUT-175との併用効果について検討していきたい。 更なるvivoの実験のため、ヌードマウスを購入する。
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