対象は心臓手術を施行した患者38例。術後1週間24時間心電図モニターし心房細動の発生の有無を監視。右心房筋の糖及び脂肪酸代謝に関連する遺伝子の発現を検討。38例中18例(47%)に術後心房細動を認めた。心房細動群では非心房細動群に比べて術前空腹時血糖が高い傾向。心筋細胞内脂肪酸輸送蛋白の遺伝子発現が心房細動群で有意に低かった。耐糖能異常を示す12症例の検討では、脂肪酸の細胞膜内への移送に関与する蛋白の遺伝子発現が術後心房細動群において高い傾向にあった。インスリン抵抗性に加えて心筋細胞の脂肪酸輸送蛋白の異常と心臓大血管術後の発作性心房細動の発生との関連が示唆された。
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