大動脈手術は侵襲度の高い手術である。本研究では、その侵襲度を軽減するための手術材料を開発することを目的とした。現状の大動脈手術では、大動脈吻合部の解離や仮性動脈瘤の発症予防のために、フエルト材等が用いられてきた。フエルト材に変わる材料として、動脈リモデリングを抑制するように、生体吸収性の素材を用い、加えてその材料に組織化を促すよう、細胞親和性の高いペプチドを付与した材料を作製した。生体吸収性材料は、動脈同様に伸縮性のある素材をポリカプロラクトンとD-ラクチドの共重合対で作製し、ペプチドはインテグリンリガンドのRGDを付与した。この材料をイヌ大動脈吻合に補強に用い良好な結果を得た。
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