研究課題/領域番号 |
24791462
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山本 寛斉 岡山大学, 大学病院, 助教 (40467733)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 原発性肺癌 / Hsp90阻害剤 / 放射線治療 |
研究概要 |
Heat shock protein 90 (以下Hsp90) は、AKT など癌で鍵となる多くのシグナル伝達蛋白の安定化に関与しており、Hsp90 阻害剤は癌治療薬として開発が進んでいる。さらに、Hsp90 阻害剤は放射線の増感作用が報告され、放射線治療への応用が期待できる。本研究は肺癌におけるHsp90 阻害剤と放射線の併用時の抗腫瘍効果の機序について検討し、肺癌における新しい治療法を確立することを目的とする。 本研究では3年間の研究期間内で以下の項目を検討する。 # 1. 肺癌細胞株におけるHsp90 阻害剤の放射線増感作用の検討。# 2. Hsp90 阻害剤の放射線増感作用機序の解明と併用療法至適条件の検討(in vitro)。(1) Hsp90 阻害剤と放射線併用療法によるHIF-1α、DNA 修復蛋白への影響 (2) Hsp90 阻害剤と放射線併用療法の治療スケジュールの検討。# 3. マウスモデルでの併用療法の抗腫瘍効果および至適治療スケジュールの検討。 平成24年度では、EGFR 変異肺癌細胞株PC9, H1975, H3255、KRAS 変異肺癌細胞株H358, A549、PIK3CA 変異肺癌細胞株H460、AKT 活性化を示さない肺癌細胞株H1299, H838 の 8 株を使用して、2 種類のHsp90 阻害剤(17-DMAG、NVP-AUY022)に対してHsp90阻害剤単独・放射線単独・両者の併用による抗腫瘍効果をMTSアッセイ・コロニーフォーメーションアッセイで評価し、放射線増感作用および非増感作用を示す細胞株群の同定を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度として、EGFR 変異肺癌細胞株PC9, H1975, H3255、KRAS 変異肺癌細胞株H358, A549、PIK3CA 変異肺癌細胞株H460、AKT 活性化を示さない肺癌細胞株H1299, H838 の 8 株を使用して、2 種類のHsp90 阻害剤(17-DMAG、NVP-AUY022)に対して放射線増感作用および非増感作用を示す細胞株群を同定している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は上記の放射線増感作用および非増感作用を示す細胞株群の同定結果を踏まえて、AKT-HIF-1α経路やDNA 修復関連蛋白質の活性(リン酸化)状態を、Hsp90 阻害剤単独療群・放射線単独療群・併用療法群についてウエスタンブロット法にて確認する予定である。また、併用療法感受性株を用いて、有効な抗腫瘍効果を示す至適薬剤量・放射線照射量・薬剤/放射線投与のタイミングをin vitro に検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度としては、放射線増感作用および非増感作用を示す細胞株群における蛋白発現状態をウエスタンブロット法で解析する。併用療法で特異的な変化を見せた蛋白群とHsp90 との直接作用の検討を目的として、核蛋白抽出・免疫沈降反応を行い、必要に応じて当施設内にある蛋白質量分析器(Agilent 1100LC/MSD TrapXCT Ultra)を用いてHsp90 と同定蛋白の直接作用を検討する。
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