研究課題/領域番号 |
24791474
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
工藤 勇人 東京医科大学, 医学部, 助教 (80623800)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | Klotho / アンチエイジング / 肺癌 / 抗癌剤 |
研究概要 |
アンチエイジング遺伝子Klothoの発現と、癌細胞の浸潤・転移能の関係、抗癌剤に対する感受性の関係について検討を行った。 初年度は、ヒト癌細胞株を用いてKlotho蛋白に発現の有無による抗癌剤感受性の違いを検討した。(また、肺癌切除検体を用いて予後不良因子の検討を行った。) まず、Klotho遺伝子を各種ヒト癌細胞株に導入して、Klotho蛋白を過剰発現させた。Klotho蛋白の発現の確認は、Western blot法および免疫染色法を用いて行った。その後、Klotho遺伝子を導入した細胞株に各種抗癌剤を投与して、アポトーシス誘導の割合を比較検討した。アポトーシスは、GFPで蛍光標識した核の形態学的変化の有無で確認した。一部の抗癌剤において、Klotho蛋白の発現とアポトーシスの関係がみられており、その機序について現在検討中である。 さらに肺癌切除検体を用いて、Kloth蛋白の発現の有無を免疫染色法で確認し、各種予後因子との関連について検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、実験系に用いたKlotho抗体での実験では偽陰性となってしまい、細胞株へのKlotho遺伝子導入の確認に時間を要した。Klotho抗体を別のものに変更することで、適切に遺伝子導入された細胞株を評価することができるようになり、現在では予定通り実験を再開することができている。 また、肺癌切除検体の免疫染色での評価にあたり、評価部位の選定に時間がかかっている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
1.肺癌切除検体を用いて、Klothoの発現とEMTの関係について免疫組織学的に解析を施行し、臨床病理学的因子について検討を行う。 2.ヒト癌細胞株を用いて、Klothoの発現と関連のある抗癌剤について、アポトーシスを誘導するメカニズムについて検討する。 3.肺癌細胞株にKlotho遺伝子を導入し、Klotho過剰発現細胞株を作成する。これをヌードマウスに移植し、KlothoとEMT関連蛋白の発現の関係について、Klothoを過剰発現していない親を用いたマウスと比較検討する。さらに抗癌剤の感受性に関しても、比較検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
肺癌切除検体について免疫染色法での評価にあたり、各種抗体の購入および未染スライド作成に研究費を使用予定である。また各種抗癌剤による薬物療法の評価のため、抗癌剤購入に研究費を使用予定である。さらに、ヌードマウスの購入および解剖、切片作成等に研究費を使用予定である。 また本研究の成果を、国内学会だけでなく、世界に発信するために国際学会に出席・研究報告を行う予定であり、海外出張費として使用予定である。
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