研究課題/領域番号 |
24791479
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
吉田 康浩 福岡大学, 医学部, 助教 (00624264)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 肺癌 / KRAS / 末梢分泌型miRNA |
研究概要 |
本研究は、肺癌患者で、変異KRAS制御末梢分泌型miRNAを、患者血清よりエクソソームの抽出により解析し、リンパ節での標的分子の発現も同時に解析することで、癌の早期発見、診断、予後予測、治療効果などに有用なバイオマーカーを探索することを目的とするものである。しかし、膨大な数のmiRNAの中から標的となるmiRNAを特定するのは容易ではなく、効率的な標的遺伝子の検索法に工夫が必要となる。我々は、より標的を絞り込むために肺癌患者の25%程にみられる変異KRASの有無を比較要素に加えることで、より効率的に肺癌に関与する分泌型miRNAを検出できるのではないかと考えている。また、肺癌患者の採取した縦隔リンパ節で、変異KRASに発現制御されるmiRNAは、予後予測因子となり、縦隔リンパ節転移に関与するmiRNAを検出する事も本研究の重要な目的である。 当初の予定通り、初めの1年間は学内倫理委員会の承認を得た上で、サンプルの収集を行なった。対象となる症例は、非小細胞肺癌患者で、手術により、リンパ節廓清が行なわれた症例。集まった症例数は40症例で、目標は80症例であるため、今後もサンプルの収集に努める予定である。 また今後は、回収したmRNA中で、申請者らが候補に挙げているKRAS依存性miRNAの発現量を、Fluidigm. BioMark HD Real-Time PCR Systemや発現アレイで、KRAS陽性サンプルと陰性サンプル間に発現量の差がみられるmiRNAを検出および確認を行う方針としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学内のIRB承認が遅れた事と、予想より症例数が集まりにくい事より、進行状況はやや遅れている。しかし、予想を大きく逸脱したものではないため、研究計画を大きく変更する必要はないため、やや遅れているの評価にした。
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今後の研究の推進方策 |
サンプルの収集を行ないながら、初期研究として回収したmRNA中で、申請者らが候補に挙げているKRAS依存性miRNAの発現量を、Fluidigm. BioMark HD Real-Time PCR Systemや発現アレイで、KRAS変異陽性サンプルと陰性サンプル間に発現量の差がみられるmiRNAを検出および確認を行う方針としている。 KRAS変異症例が20症例以上集まった段階で、KRAS変異がある症例20例とない症例20例とで、発現アレイで比較検討する事とする。 目標症例数80まで待たずに、KRAS変異を確認し、KRAS変異陽性例が20症例集まれば、発現アレイによる検討が行なえるため、早めの段階で、Scorpion-ARMS法によるKRAS変異の有無を確認する。
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次年度の研究費の使用計画 |
KRAS変異の有無は、病理標本パラフィン切片を用いて、Scorpion-ARMS法で行う(外注委託、1本2万円、80本予定)予定。 Fluidigm. BioMark HD Real-Time PCR Systemや発現アレイで、KRAS変異陽性サンプルと陰性サンプル間に発現量の差がみられるmiRNAを検出するので、研究費を使用する予定。 また、得られたデータの解析を行なうため、情報解析用PC等の経費がかかると考える。 現段階ではサンプル収集をしているのみであり、研究費用はほとんどかかっていないため、H24年度分の繰越金が発生している。繰越金と請求したH25年度分の研究費で、上記の実験を行なう予定である。
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