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2013 年度 実績報告書

肺大細胞神経内分泌癌におけるがん幹細胞の同定と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 24791481
研究機関独立行政法人国立がん研究センター

研究代表者

菱田 智之  独立行政法人国立がん研究センター, 東病院, 医員 (40544664)

キーワード肺高悪性度神経内分泌癌 / がん幹細胞 / 小細胞癌 / 大細胞神経内分泌癌
研究概要

肺高悪性度神経内分泌癌は,小細胞癌と大細胞神経内分泌癌よりなる悪性度の高い組織型であり,肺癌全組織型の約20%を占める.小細胞癌は初回治療時には化学療法が奏効するが,殆どの症例で治療抵抗性を示す.大細胞神経内分泌癌は,非小細胞肺癌の一つである大細胞癌に分類されるため,切除可能であれば初回治療として手術が行われる.しかし,完全切除後も約半数が再発し,腺癌など他の非小細胞肺癌と比較し予後は極めて不良である.近年の研究によれば、癌は腫瘍の進展・増殖の根幹を成すと考えられる未分化ながん幹細胞を頂点とした細胞集団であることが示唆されている.悪性度の高い難治癌である肺高悪性度神経内分泌癌に対し,がん幹細胞を標的とした新たな治療開発を目標として,各種がん幹細胞マーカーの発現および臨床病理学的意義を検討した.病理専門医により肺高悪性度神経内分泌癌と診断された外科切除例105例 (小細胞癌: 60例, 大細胞神経内分泌癌: 45例) の組織切片を用い,がん幹細胞マーカーとされる分子 (Caveolin, Notch, CD44, CD166, SOX2, ALDH1, Musashi1 [MSI1]) の発現を免疫組織学的に検討した.全体では,CD166, SOX2, ALDH1, MSI1 の発現が高頻度であったが,CD166は大細胞神経内分泌癌で,SOX2は小細胞癌で発現頻度が高い結果であった.各幹細胞マーカーのうち,ALDH1の発現は外科切除後の予後と関連しており,原発巣におけるALDH1陽性の肺高悪性度神経内分泌癌は,陰性例と比較し,有意に予後不良であった.ALDH1陽性細胞は微小リンパ節転移巣でも認められ,肺高悪性度神経内分泌癌の転移,予後規定に寄与していることが考えられた.ALDH1陽性細胞は肺高悪性度神経内分泌癌におけるがん幹細胞の候補となりうることが示唆された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Identification of prognostic immunophenotypic features in cancer stromal cells of high-grade neuroendocrine carcinomas of the lung2013

    • 著者名/発表者名
      Takahashi A, Ishii G, Kinishita T, Yoshida T, Umemura S, Hishida T, Yoh K, Niho S, Goto K, Ohmatsu H, Ohe Y, Nagai K, Ochiai A
    • 雑誌名

      J Cancer Res Clin Oncol

      巻: 139 ページ: 1869-78

  • [学会発表] 大細胞神経内分泌癌の予後因子 混合型大細胞神経内分泌癌を中心として2013

    • 著者名/発表者名
      三好 智裕, 菱田 智之, 石井 源一郎, 仁保 誠治, 荒牧 直, 松村 勇輝, 青景 圭樹, 吉田 純司, 大江 裕一郎, 永井 完治
    • 学会等名
      第54回日本肺癌学会総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20131121-20131122

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公開日: 2015-05-28  

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