研究課題
平成24年度1) 健常ラット(n = 5)を用いて、脊髄CED法における薬剤分布の検討を行った。脊髄に自作の薬剤注入用力ニュラ(直径0.lmm)を留置、微量注入ポンプで毎分0.2 ul×20分の薬剤注入を行った。薬剤分布試験では蛍光色素(Evansblue)を使用。薬剤分布体積は、注入量の3.5倍の結果であった。2) ACNU-CED法の安全性試験を行った。異なる濃度のACNUをCED法を用いて脊髄実質へ投与し、その局所神経毒性を評価。注入後の摘出標本の病理学的検討において、2.0mgにて組織破壊が認められ、1.0mg/mLが適正かつ最大の耐用濃度と判明した。3)脊髄神経膠腫モデルラットを、ラット神経膠腫細胞9L、F98を脊髄の腰膨大部に接種し作成した。いずれの群でも腫瘍細胞が増大し、下肢膀胱直腸機能障害を引き起こした。BBBスコアによるラット下肢運動機能の評価では3週間で機能が完全に廃絶した。平成25年度1) ラット下肢運動機能評価の結果 ラット神経膠腫細胞9Lの機能障害が急峻でF98細胞がより緩徐である特性の違いが確認された。また、細胞組織学的に9L細胞が脊髄組織と境界を保ちながら増殖するのに対し、F98はより浸潤性であった。2)脊髄腫瘍ラットモデルにおける、ACNU-CED法の治療効果を検討した。前述の2群、異なる腫瘍細胞株を用いて作成した脊髄腫瘍ラットモデルにACNU-CED法を用いて治療を行った。(n=8)。9L, F98の両方の群において、いずれも2匹において下肢運動機能が改善した。それらのラットでは脊髄腫瘍の増大抑制が組織学的に確認された。なお、F98細胞において下肢運動機能の保全がより図られる、つまりACNU CEDによる抗腫瘍効果がF98においてより強く発揮される傾向を認めた。9L細胞腫瘍は、前述のとおり、髄外伸展形式をとるためCEDによるACNU送達の効率が劣る可能性が示唆された。
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