研究課題/領域番号 |
24791488
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金 太一 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90447392)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 脳神経外科学 / コンピュータグラフィックス / 医用画像 / 複合現実 / 仮想現実 |
研究概要 |
当該研究の平成24年度の目標は、医用画像データを用いた融合3次元コンピュータグラフィックスの構築における自動化を中心とした画像処理方法の開発とその臨床応用であったが、概ね予定通り達成した。具体的には、画像処理ソフトウェア(Avizo)上で正規化相互情報量法の初期値を設定方法、セグメンテーション方法、2D/3Dレジストレーション法を開発し、更に一部を自動化させる手法の開発に成功した。提案手法による画像処理方法によって、DICOMデータとして出力した全ての医用画像の自動融合し、医用融合3次元コンピュータグラフィックスの構築時間の大幅な短縮が達成できた。提案手法によるコンピュータグラフィックスを用いた手術検討は、平成24年度までに、東京大学医学部付属病院脳神経外科にて471症例に臨床応用された。2D/3Dレジストレーション方法は薄板スプライン変換を応用したもので、本法により、実空間(術中脳表写真)とワークステーション上のコンピュータグラフィックとの融合に成功した。現実空間を融合させたコンピュターグラフィックスの術前検討は、同病院にて8症例に臨床応用され、その有用性に関する論文を作成中である。 当該研究に関する平成24年度の成果発表は下記の通りで、いずれも予想以上の結果であった。国内学会発表11回、国際学会発表2回、国内招待講演1回、英語論文4本、日本語論文2本。また現在投稿中のものは、英語論文3本、日本語論文2本である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
医用融合3次元画像の構築過程における自動化や、その他の様々な工夫によって、計画以上の臨床症例において本法による融合3次元画像の術前検討が可能になり、それらの有効性を示す結果を多数得られた。平成24年度研究計画では100症例に臨床応用する予定であったが、実際には平成24年3月31日までに471症例に臨床応用された。研究発表に関しては、平成24年4月から平成25年3月までの間に、国内学会発表11回、国際学会発表2回、国内招待講演1回、英語論文4本、日本語論文2本を発表した。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、拡張現実法を用いた脳神経外科手術シミュレーション装置の開発を行う。また、平成24年度に引き続き提案手法による医用融合3次元コンピュータグラフィックスの臨床応用データを蓄積していき、適宜学会や論文で発表する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
上記手術シミュレーション開発に使用するワークステーションやその他の周辺機器の購入、学会発表、論文投稿にかかる費用(別刷り、英文校正など)に対して使用予定である。
|