• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

脳血栓症におけるシステイニルロイコトリエンの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 24791489
研究種目

若手研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

伊藤 明博  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10609598)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード脳血管障害 / 血栓症 / システイニルロイコトリエン
研究概要

本研究の目的は、多彩な生理機能を有する脂質メディエーターであるシステイニルロイコトリエンについて、脳血栓症における役割を分子生物学的手法と実験動物を用いて明らかにする事である。H24年度は下記の研究を施行した。【具体的内容】a)血小板にロイコトリエンC4(LTC4)刺激をして、システイニルロイコトリエン第2受容体(CysLT2)からG蛋白質を介し、血小板活性化にいたるまでのシグナルを解析した。具体的にはCAFによる細胞内カルシウム上昇の検出、ELISAによる細胞内cAMPの解析を施行し、シグナル伝達経路を明らかにした。b)生体内におけるLTC4の意義を調べる為、塩化鉄を頸動脈に塗布することにより、血栓形成を促す実験的血栓形成モデル等の血栓形成モデルを作成し、これらの実験的動物モデルの安定した評価系を確立した。c)ApoE欠損マウスにコール酸を負荷して作成し、実験的動脈硬化モデルを作成し、動脈硬化形成へ のLTC4-CysLT2の関与を調べた。動脈硬化モデルを作成、Oil red染色によるその定量的評価をする方法を確立、ApoE(-/-)/Cyslt2(+/+)とApoE(-/-)/Cyslt2(-/-)動脈硬化巣の定量的比較解析をし、動脈硬化へのシステイニルロイコトリエンの効果を調べた。【意義、重要性】LTC4による血小板活性化、CysLT2下流の細胞内シグナル伝達経路を明らかにすることにより、LTC4による血栓症の病態が明らかとなった。また、実験的血栓モデルを確立したことにより、CysLT2ノックアウトマウスを使用した研究を進める事ができ、今後、生体内における病態生理学的意義が明らかとなることが期待され、脳梗塞をはじめとする血栓症の解明に大きな貢献をする可能性をもっていると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は多彩な生理機能を有する脂質メディエーターであるシステイニルロイコトリエンについて、脳梗塞、脳血栓症における役割を分子生物学的手法と実験動物(マウス)を用いて明らかにする事を目的としており、一部の実験系において確立できないものもあるが、達成度としては、おおむね研究計画通りの進捗状況となっている。

今後の研究の推進方策

H25年度は、LTC4による血小板活性化における細胞内シグナル経路について、また、LTC4の生体内病態生理学的意義について、更なる研究を進める。H24年度に、CysLT2受容体とGタンパク質との関連が証明されたので、今後さらに下流におけるVASP(vasodilator-stimulated phosphoprotein),A2B3インテグリンの活性化等のメカニズムを検討する。また、 H24年度までに確立した実験的血栓形成モデルを使用して、LTC4による血栓形成のメカニズムについて検証する。また、血栓形成における脂質メディエーターについて、定量的質量分析を施行し、LTC4の重要性を検証する。以上の研究により、LTC4による血小板活性化、脳血栓症における病態生理学的意義が明らかになることが期待される。

次年度の研究費の使用計画

マウス維持費として、600(千円)、RNA抽出試薬として100(千円)、逆転写試薬として100(千円)、定量PCR試薬として100(千円)、その他の試薬として600(千円)、器具に100(千円)の費用を予定している。また、研究成果発表の場として、FASEB(ニセコ、日本)、または、13th International Conference Bioactive Lipids in Cancer, Inflammation and Related Diseases(Puerto Rico)を予定している。研究費使用計画としては、おおむね申請計画書とおりの予定である。

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi