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2013 年度 実施状況報告書

脳血栓症におけるシステイニルロイコトリエンの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 24791489
研究機関東京大学

研究代表者

伊藤 明博  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10609598)

キーワード脳血管障害 / 血栓症 / システイニルロイコトリエン
研究概要

本研究の目的は、多彩な生理機能を有する脂質メディエーターであるシステイニルロイコトリエンについて、脳血栓症における役割を分子生物学的手法と実験動物を用いて明らかにする事である。H25年度は下記の研究を施行した。【具体的内容】a) 前年度までの実験結果のつづきとして、ロイコトリエンC4(LTC4)による血小板活性化シグナルを解析し、細胞内cAMP等の下流シグナルを介して、インテグリンA2B3の活性化を引き起こす事を明らかにした。b) 前年度までに確立した生体内血栓形成モデルを使用して、ノックアウトマウスを使用した実験を施行して、生体内におけるシステイニルロイコトリエン受容体の役割を明らかにした。c)ApoE欠損マウスを使用した実験的動脈硬化モデルにて、動脈硬化形成への関与を調べた。各種評価系による結果では、動脈硬化に関する明らかな影響につき、再現性をもった結果は認められなかった。【意義、重要性】LTC4刺激による血小板活性化、CysLT2下流の細胞内シグナル伝達経路を明らかにすることにより、LTC4による血栓症の病態が明らかとなるも、動脈硬化への影響について明らかな結果は認められなかった。実験的血栓モデルを確立したことにより、CysLT2ノッ クアウトマウスを使用した研究を進める事ができ、今後、生体内における病態生理学的意義が明らかとなることが期待され、脳梗塞を はじめとする血栓症の解明に大きな貢献をする可能性をもっていると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は、脳梗塞における脂質メディエーターであるシステイニルロイコトリエンの役割について、分子生物学的手法と実験動物(マウス)を用いて明らかにする事を目的とした研究であり、現在までに、CysLT2受容体とGタンパク質との関連、下流シグナルを介したA2B3インテグリンの活性化等のメカニズムについて明らかとなった。また、 実験的血栓形成モデルを使用したLTC4による血栓形成のメカニズム、血栓形成における脂質メディエーターについて、定量的質量分析にてLTC4の重要性が検証された。以上、大方の実験は終了されているが、前年度と同様、動物モデルの確立に時間を要したため、また、仮説の証明ができなかった動脈硬化等の研究もあり、研究計画は遅延したが、大方の実験は終了しており、今後は再現性の確認のための実験が主な実験となり、達成度としては、やや遅れている進捗状況とした。

今後の研究の推進方策

LTC4刺激による血小板活性化、細胞内シグナル伝達経路の評価について、引き続き、研究を続ける。LTC4などの脂質とヒト血小板活性化のメカニズム、血栓症の病態を明らかにし、今後、人の生体内における病態生理学的意義が明らかにし、脳梗塞をはじめとする血栓症の解明に大きな貢献をする可能性をもっていると考えられる。

次年度の研究費の使用計画

本研究は脳梗塞、脳血栓症におけるシステイニルロイコトリエンについて、分子生物学的役割のみならず、生体における役割を明らかにする事を目的としており、現在までに、大方の実験は終了されている。しかしながら、前年度と同様、生体における役割を検証する動物モデルの確立に時間を要したため、また、動脈硬化研究において仮説の検証が困難であったため、研究計画はやや遅延した。このため、ノックアウトマウス等を使用した研究においては確実な結果が得られてきているものの、再現性の確認なども含めた実験は昨年度内には終了できなかったため、動物実験費用としての次年度使用額が生じた。
前年度と同様に本年も、遅れの原因となっている、モデル動物における血栓形成実験、再現性確認のための実験、ノックアウトマウス等を使用した同様な実験を施行する。費用としては、申請時と同様、動物実験などの研究における費用、学会報告、論文発表等における費用として使用することとする。

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公開日: 2015-05-28  

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