GSK3βを分子標的とする悪性グリオーマ治療において、当科ではGSK3β阻害効果を有する既存薬剤を用いた第I・II相臨床試験を行っている。本年度も1例の再発悪性グリオーマ患者で、手術摘出が難しい例に対し上記治療を行い、現在治療継続中である。 また、GSK3β阻害によるin vivoでの阻害効果ならびに分子機構の解明が重要であり、剖検を得られた患者の腫瘍検体を用い解析を行った。免疫組織染色による検討では、in vivoでのGSK3β阻害効果や薬剤感受性に関与するMGMTの発現低下、細胞増殖の抑制を確認した。この結果は日本脳神経外科学会総会、日本脳腫瘍学会で報告した。
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