研究課題
成長因子プログラニュリン(PGRN)を脳梗塞モデルマウスに投与し、実験的脳虚血急性期において神経保護作用を有することを明らかにした。また、PGRNは虚血再灌流後の神経組織への好中球浸潤を抑制することで抗炎症的に作用することを見出した。さらに詳細なメカニズムを検討し、in vitroにおいては血管内皮細胞の虚血後炎症反応に注目し、PGRNの投与が好中球浸潤に重要な役割を果たす接着因子の発現を抑制することを明らかにした。これらの成果は学会にて発表し、現在その成果の一部を論文として投稿中である。
2: おおむね順調に進展している
PGRNの急性期脳虚血に対する神経保護作用およびPGRNの抗炎症作用の少なくとも一面は好中球の組織浸潤抑制によるものであるという点について、in vivoおよびin vitroのいずれの系においても確認することが出来た。
in vitroにて好中球の機能試験を行い、PGRNの好中球に対する直接的な作用について検討する。また、遺伝子改変マウスを用い、PGRNノックダウン状態においての急性期神経炎症の変化について検討する。
消耗品が当初予定よりも安価に購入出来たため、129,032円の次年度使用金が生じた。これを用い、以下通り物品購入を計画している。Western blotting, ゼラチンザイモグラフフィー等抗体, 実験試薬, 標本作製, 論文投稿料
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doi: 10.1016/j.neuroscience
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