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2012 年度 実施状況報告書

脊髄前角細胞の機能維持に注目した脊髄損傷治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24791498
研究機関大阪大学

研究代表者

石原 正浩  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00533803)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード脊髄損傷 / 廃用萎縮 / 脊髄前角神経
研究概要

脊髄損傷後、損傷尾部の運動麻痺に伴う、筋肉が廃用萎縮すること、また、脊髄運動神経が変性することが報告されている。当グループでは、廃用萎縮と脊髄運動神経の関連性を調べるためにTh7/8脊髄挫滅モデルラットを作成し、非損傷群、非損傷+下肢固定群、損傷群、損傷+下肢固定群の4群を作成し、筋委縮に伴い脊髄運動神経のL5における脊髄前角の数と形態について測定した。損傷3週後において、非損傷群、非損傷+下肢固定群については、α運動神経の数に変化はなかったが、損傷群については有意に低下しており、損傷+下肢固定群においては、損傷群と比べても有意に低下していた。また、損傷群においては脊髄前角細胞の形態も変性していた。脊髄前角細胞の細胞死・変性について調べるために、脊髄およびヒラメ筋における神経栄養因子の分泌量を測定すると、GDNFにおいて、脊髄損傷および下肢固定に伴い、ヒラメ筋でのGDNFの産生が有意に低下すること、それに伴い、損傷+下肢固定群においてのみ脊髄L4/5におけるGDNFの含有量が有意に低下することを見出した。
これらのことから、廃用萎縮に伴い筋組織からのGDNFの減少が脊髄前角の変性・細胞死に関与していると推測し、GDNFを損傷筋に注入することに損傷+下肢固定群において脊髄前角の細胞死・変性を改善できることを見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

GDNF投与による脊髄前角細胞の平成・細胞死の改善についての詳細を検討するのに時間がかかった。

今後の研究の推進方策

GDNF投与により脊髄前角の変性の抑制が示せたので、次は持続的な改善を目的とした方策として投与方法の改善により、より変性・細胞死の減少を促す方法を検討する。(GDNFプラスミド投与等)そのうえで、当初予定である神経幹細胞の投与を行い効果の有無について判定する予定である。

次年度の研究費の使用計画

実験動物(ラット)、培養用消耗品(血清を含む)、抗体、ELISAキットを計上している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Intradural extramedullary spinal ependymoma: a case report of malignant transformation occurring2013

    • 著者名/発表者名
      Takashi Moriwaki, Koichi Iwatsuki ,Masahiro Ishihara
    • 雑誌名

      Asian Spine Journal

      巻: 2 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [学会発表] 脊髄損傷に対する嗅粘膜移植術2012

    • 著者名/発表者名
      石原正浩
    • 学会等名
      第71回日本脳神経外科学会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20121017-20121019
  • [学会発表] 廃用性筋萎縮は脊髄損傷尾側での運動ニューロン変性を増悪させる2012

    • 著者名/発表者名
      大西諭一郎、岩月幸一、新沢康英、石原正浩、吉峰俊樹
    • 学会等名
      第27回日本脊髄外科学会
    • 発表場所
      浦安
    • 年月日
      20120621-20120622

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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