研究概要 |
in vitro研究:Oct 3/4, Sox1, Nestin, TuJ1, Map2abによる各neuronの成熟段階のマーカーをRT-PCRや免疫染色により評価した。またOtx1, CTIP2などの大脳皮質特異的な転写因子の発現に関して評価を行うことで、培養下でのES細胞の分化が、正常マウスの発生に沿ったものである事を確認した。 in vivo研究:低酸素性脳虚血マウスにES由来神経前駆細胞を移植することで、失われた神経ネットワークの再構築を確認するため、モデル作成と移植を実施した。 ・低酸素脳虚血モデル作成: 生後4日目の新生マウスの右総頚動脈を結紮後に切断した後低酸素環境(8.0% O2,30分, 37℃)に暴露し、安定したModel作成技術を確立した。 ・ES由来神経前駆細胞の移植:生後5日目(低酸素脳虚血負荷後3日目)のマウスに対しbregmaをメルクマールに計4ヶ所、ES由来神経前駆細胞を4万個/siteずつ注入する方法で生後5日の新生マウス(生後2日に低酸素性脳虚血処置済み)の大脳皮質深層に移植した。その結果、移植細胞は脳内に生着し軸索の伸長を確認した。 また、運動機能の評価として、移植2週後のマウスに対しててRota Rod Testを実施した結果、移植によると考えらる運動機能の回復が確認できた。この結果は、予備実験でも得られていたため、移植の技術向上によって安定したモデルが作成できたと考えられる。
|