くも膜下出血(SAH)後の脳血管攣縮は、頭蓋内主幹動脈の遅発性持続性狭小化により脳虚血を引き起こし、SAH患者の予後を大きく左右する。しかし、脳血管攣縮発症の詳細なメカニズムは解明されていない。本研究では、くも膜下出血後のウサギ攣縮脳血管において、rabbit オリゴ DNA マイクロアレイを用いて経時的な遺伝子発現解析を行った。マイクロアレイの結果、SAH発症3日目において遺伝子の数および発現比、発現パターンが最も著しく変化していた。一方、CT angiographyを用いて脳血管攣縮の経過を評価した結果、脳血管攣縮は遺伝子発現変動に遅れて発症5日目にピークに達することが明らかとなった。
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