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2012 年度 実施状況報告書

髄膜腫の悪性サブグループの発生メカニズムを解明する

研究課題

研究課題/領域番号 24791514
研究種目

若手研究(B)

研究機関福島県立医科大学

研究代表者

岸田 悠吾  福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00467292)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード髄膜腫 / DNAメチル化 / HOX遺伝子
研究概要

基盤研究に基づき、再発傾向の強い髄膜腫群においてDNAの過メチル化を示す113遺伝子を同定した。この内パイロシークエンシング法にて安定してメチル化定量ができる5遺伝子(IGF2BP1、HOXA6、HOXA9、PENK、UPK3A)をマーカーとして抽出し、メチル化定量値に基づくスコアリングシステムを構築した。スコアリングシステムを32例のvalidation setに当てはめると、有意差をもって再発頻度との関連を示した。また悪性転化症例においては、悪性化以前からこれら遺伝子のメチル化レベルが高いことが示された。
現在、これらのマーカー遺伝子のうちIGF2BP1、HOXA6、HOXA9に着目し、その機能的意義を検証している。
当該年度は、まず2種の髄膜腫細胞株(IOMM-Lee、HKBMM)を用い上記3遺伝子の強制発現モデルと発現抑制モデルの作成を行い、細胞機能に与える影響を評価している。まず強制発現用に上記3遺伝子のcDNAと蛍光蛋白質(cfSGFP2)融合ベクターを作成し、発現抑制用にはshRNAレトロウィルスベクターを購入した。続いて強制発現用ベクターを2種の髄膜腫細胞株に導入し、まずIGF2BP1-cfSGFP2及びcfSGFP2を安定発現するIOMM-Lee細胞クローンをそれぞれ単離した。HOXA6及びHOXA9-cfSGFP2の安定発現モデルもHKBMM細胞で作成可能で、現在は発現抑制用ベクターを用いてIGF2BP1抑制の細胞クローン単離を行っている。
これら強制発現及び発現抑制が細胞に与える機能的意義であるが、まずIGF2BP1-cfSGFP2の過剰発現は現在までの結果では細胞増殖速度には影響は与えないようである。一方、HOXA6及びHOXA9-cfSGFP2を過剰発現したHKBMM細胞では細胞増殖が顕著に抑制される傾向がみられており、次年度精査を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

メチル化定量値に基づきスコアリングシステムを構築でき、これをvalidation setで検証したところtraining setでの結果を裏付ける、高い再現性が示された。またその後マーカー遺伝子の機能的意義を検証するための基礎実験では、HOXA遺伝子の強制発現モデルにおいて細胞増殖速度の顕著な抑制が見られており、

今後の研究の推進方策

遺伝子の強制発現及び発現抑制が細胞機能に与える影響をさらに検討する。具体的には、生体内に近い環境での増殖形態を評価する目的で3次元培養を行うとともに、走化性や微細形態の変化などについても評価する予定である。

次年度の研究費の使用計画

基礎実験で使用する細胞培養用機材やベクター、免疫染色用抗体の購入などが主体となる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Epigenetic subclassification of meningiomas based on genome-wide DNA methylation analyses2012

    • 著者名/発表者名
      Yugo Kishida
    • 雑誌名

      Carcinogenesis

      巻: vol.33 no.2 ページ: 436–441

    • DOI

      10.1093/carcin/bgr260

    • 査読あり
  • [学会発表] DNAメチル化からみた髄膜腫の再分類と、その臨床応用2012

    • 著者名/発表者名
      岸田 悠吾
    • 学会等名
      神経皮膚症候群調査研究班班会議
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20121207-20121207

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公開日: 2014-07-24  

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